第13回 Domain 〜ドメイン

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Domain ~ ドメイン

私が、不思議な運命の巡り会わせでファンサイトに来てから、今までの自分を振り返ってみることがよくあります。

大学を卒業する年、バブルが頂点からまさに急転直下で落ちる直前の世代だった私達は、就職活動で「オレは流通!」「オレは金融!」という、スーツを着たクラスメート、(厳密には友人ではない)の声を、大学の学食で横目に聞きながら 「自分が、もしかすると定年までいる会社を、そんな1年足らずで見つけてなぜはしゃげるんだろう?それって企業の”1”歯車になるだけやんか!」 と突っ張ってた。

今から思えば本当に何も知らないただの「ガキ」でした。甘すぎる。何も知らないくせに、そんな意識だけは人一倍強かったように思います。

 その後、世の中を知らない「ガキ」が、その時の突っ張りが原因で、延々、えーんえん と長い回り道を強いられたのはいうまでもありません。
今考えれば、その事実に向き合うことをただ恐れ、何の方向性も持たずに逃げていたのです。

 結果、「世間は甘くない」という極めて当たり前な事実を、身をもって経験したということだけが、長い時間社会をウロウロと「放浪」してきたことで得られた財産でした。
ご存知の方は大勢いらっしゃると思いますが、本当にいろいろな仕事を経験しました。

こっちいっちゃぶつかり、あっちいっちゃぶつかり。。

そんな形で中途半端に社会に出てしまった私は、20代の半ば、その時の上司から「自分の ”ドメイン”を探さないと、今後生き残りが厳しいぞ」 という助言を受け、「どうやってそれを見つようか」と思っていた私は、ようやくその「ドメイン」を見つけた気がしています。

 「広報」という仕事。

~「企業の顔」として、書いたり読んだり話したり。

コミュニケーション力を駆使して情報流通のパイプラインを構築し、正確な情報を発信することで、「コーポレイト・レプテーション 企業価値」を向上させる仕事。

 あくまでもメディアに興味をもってもらい、メディアを通じて情報発信してもらうだけに、企業にありながら社会に対しても公正に見る目が必要とされるということを、この仕事の大先輩、日本を代表する自動車メーカーM社で広報担当をされているMさんから教わりました。

 「広報はね、刑務所とシャバの間に塀を跨いで立つ仕事なんですよ。」

なるほど~。刑務所は企業、シャバは社会。例えはともかく(笑)、非常に分かりやすい、明快な答えでした。

 この仕事を知れば知るほど、自分のキャラクターや、今まで培ってきたコミュニケーションスキルが活かせる仕事ではないか、と思うのです。

 例えばメディアとの、お互いの立場を尊重しあいながらのやりとり。出せる情報、出せない情報をしっかりと認識しながら企業をPRする。
そこには時に腹を割って自分をさらけ出し、理解してもらうことで彼らと人間的な関係を構築することが必要であり、そこにこの仕事の面白さや醍醐味があるのだということ。

ただ、あくまでも広告と違ってビジネスではないし、「ジャーナリズム」という公的な要素を持つ方達との対応においては、基本的に正攻法が求められる。 金に媚びる必要もない。

そんなところが私の自意識をも刺激するのです(笑)。

 現在お世話になっているバイオ業界に限らず、多種多彩な業界の方とのお付き合いの中で、ファンサイトが掲げる「企業コミュニケーション」という命題を、自分が社会を放浪してきたことで培ったスキルを活かせることに、今大きな充実感を感じているのです。

 世の中を知らずに突っ張ってきた「ガキ」が、ちょっとはましになったのかどうか。

それは皆さんの客観評価でしか計れないものだ、と肝に命じて精一杯頑張っていきたい。 応援、よろしくオネガイシマス。

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